もう四十年は住み着いていると言って良い程、毎日のように二羽のカラスが姿を見せます。
勝手口付近で何か食べ物はないか?と催促している様です。
が、余程お腹が空いている時は飛び降り、 50センチ程側まで近づき、せわしなく歩き回ります。
ここにいるぞ!
私を見上げる眼差しはまさにそうアピールしています。
パートナーの存命の折には、 もっぱら外猫の餌をくすめては腹を満たしていたのですが、 猫はアライグマが出現する様になってから徐々に姿を消し、 今では訳ありの猫もいましたが一匹もいなくなってしまいました。
故に私を待ち伏せ、直談判と言う所でしょう。
確かにこの長い年月です。
同じカラスのはずがありませんよね。
でも見分けがつきませんので、私にとってはいつものカラスが二羽なのです。
カラスに餌なんて!と、 どなたかに𠮟られそうですが、私が上げてるのは飢えずに生きれる程 度です。
必ず上げている訳ではありませんが、 雨やみぞれでびしょ濡れの時は可哀そうすぎますので、パンや残り物 を上げています。
「生きているから大変よね」そう声を掛けながら。
そう言えば今来ているカラスは急いで餌をあさって飛び去りますが 、過去には芸達者なカラスが居ました!
「何時もただ貰いばかりせず、たまには芸の一つも見せてごらん! 」
そう声掛けしていたのが伝わったのでしょうか?
物置小屋の軒先に止まり、両羽を広げると
「アー!アー!」
と鳴きながら羽を小刻みに震わせ、身体を左右に傾げるのです。
何か食べ物を貰えるまで幾度も続けていました。
まるで踊っているみたいでしたよ!
そんな芸をしたのが二年程続いていましたが、 その後はパタリと見た事はありません。
と言う事は何時も同じく見えているカラスですが、 個体が入れ替わったと言う事ですよね。
私は好奇心旺盛ですが、カラスの見分けだけは駄目な様です。